37. リングイスト の 姿勢 に ついて . 自分 の レベル で 話せば よい
あなた は 新しい 言語 を 学 ん で いる 時 どの よう に コミュニケーション を し て いる だ ろ う か ? 話す こと 、 書く こと 、 聴く こと 、 読む こと 、 これ が 新しい 言語 で の コミュニケーション に 必要 な 全 行程 で ある 。 カギ は 自分 の 興味 と 語学 レベル に 合 っ た コミュニケーション を し て いる か どう か で ある 。 話す 時 は 、 自分 の 限界 内 に 留める こと 。 スラング や イディオム や 複雑 で 難しい 単語 を 使わ ない こと 。 会話 の テーマ を 自分 の 手 に 負 える 範囲 に 抑える こと 。 新しい 言語 を 使 っ て 少し で も コミュニケーション が 取れ たら 、 よか っ た 、 と 思 っ て それ を 楽しむ こと 。 そう すれ ば 自信 が つい て いく 。
ある 言語 を 学 ん で いる 時 、 ごく 最初 の 段階 に おいて も 、 目的 は その 言語 を 学問 的 に 学ぶ こと で は なく 、 あくまでも コミュニケーション で ある 。 どんなに 苦しく て も どんなに たくさん の 間違い を し て も 、 理論 を マスター しよ う と する より コミュニケーション を する 方 が 上達 は 早い 。
私 の 妻 カルメン は この 原則 の よい 見本 だ 。 私 達 が 東京 に 住 ん で い た 頃 、 彼女 は 日本 語 を 勉強 する 時間 が 殆ど なか っ た が 、 買い たい 野菜 や 魚 の 名前 を 覚え ながら 近所 の 店 の 人 達 と とても 気楽 に 言葉 を 交わし て い た 。
その後 何 年 も 経 っ て から 、 フランス の 友人 で あり 顧客 で も ある ギルメット 夫妻 を ブリ ティッシュ ・ コロンビア 周辺 を ド ライヴ し ながら もてなす こと に な っ た 。 私 と ベルナール ・ ギルメット は 前 に 座り 、 カルメン と フランス 語 しか 話せ ない ベルナール の 妻 、 モニク は 後ろ に 座 っ た 。 カルメン の 文法 は ひどい もの だっ た が 、 一 週間 彼女 と モニク は 後ろ の 座席 で 活発 で 楽しい 会話 を フランス 語 で し て い た 。 文法 に 関して は カルメン は 初心 者 クラス に 入れる べき だ と 思う が 、 何 年 も 学校 で フランス 語 を 勉強 し て き た 英語 を 話す カナダ 人 の 大半 と 比べ たら 彼女 は ずっと うまく コミュニケーション が でき て い た 。 彼女 が 文法 を もっと わかる 必要 が ある と 思 っ たら 勉強 する こと は できる が 、 少なくとも 現在 彼女 に は フランス 語 の センス が あり コミュニケーション に は ある 程度 の 自信 を 持 っ て いる 。
カルメン に は ほんの とき たま しか フランス 語 を 喋る 必要 が ない から フランス 語 を 流暢 に 話せる よう に なら なく て も 構わ ない 。 仕事 の 場 で 外国 語 を 効果 的 に 使う ため に は 本当に 流暢 で なけ れ ば なら ない 。 しかし 、 社交 の 場 で は コミュニケーション 能力 さえ あれ ば それ で 充分 で ある 。 カルメン に は カジュアル な 会話 に 関して は 充分 な 経験 と 自信 が ある ので 、 正確 さ を 目標 に し て 追求 する 道 を 選 ん だ ら もっと 上達 する こと は 間違い ない 。
聴く こと と 読む こと に ついて も 同様 で ある 。 自分 が 興味 の ある 、 または 自分 に 相応しい テーマ に 焦点 を 絞る こと 。 あなた が 惹 か れる 新しい 文化 の 様々 な 面 や 学ぶ 必要 の ある テーマ を 読 ん だ り 聴 い たり すれ ば あなた の 学習 は 一 段 と 楽しく 効果 的 に なる こと だ ろ う 。 語学 に 堪能 な 人 に なる 第 一 歩 は 意味 の ある 内容 を みつける こと で ある 。 日常 生活 、 仕事 、 既に 知 っ て いる 学問 分野 、 趣味 、 新しく でき た 友達 と の 共通 の 興味 、 食べ物 、 音楽 、 何 で も よい 。 あなた は コミュニケーション の ため の 理由 を 明確 に し なけ れ ば なら ない 。 ただ 義務 感 から 外国 語 を 学ぶ つもり で いる と 、 規則 と 単語 の 山 しか 見え なく なり 学習 は 困難 な 闘い に しか なら ない 。
「 意味 の ある 内容 」 と いう 概念 が 本書 に 度々 登場 する 。 これ は 授業 で やる 会話 や 反復 練習 や 試験 の 質問 で は なく 、 本当 の 目的 の ため に する 会話 の よう な 現実 的 な 言語 状況 を 指す 。 自分 の 興味 ある そして 理解 できる 内容 を 読 ん だ り 聴 い たり する こと を 意味 する 。 学習 する 内容 が 現実 的 で あれ ば ある ほど よく 覚える こと が できる 。 内容 に 興味 を 持 っ て いれ ば 、 学 ん で いる 言語 の こまごま し た 部分 を 飛び越し て 自然 に 言葉 を 吸収 し て いける だ ろ う 。 それ が 本当 の コミュニケーション と いう もの だ 。 学 ん で いる こと が 役 に 立つ と わかれ ば 記憶 する の も ずっと 楽 に なる だ ろ う 。
教室 は 現実 の 生活 の 場 で は ない 。 学ぶ ため に は その 言語 を 必要 と する 状況 に 自分 を 曝さ なけ れ ば なら ない 。 なぜなら あなた は コミュニケーション を し たい の で あり 言葉 そのもの 以上 の 何 か 他 の もの を 学び たい の だ から 。 私 は 2001 年 清 華 大学 バンクーバー 同窓 会 クリスマス パーティー に 出席 し た 。 清 華 大学 は 中国 の MIT と 称さ れる 世界 的 な エンジニアリング と テクノロジー の 学校 で ある 。 カナダ に 移民 し た 清 華 大学 の 卒業 生 は カナダ 社会 に 溶け込み 程度 は 様々 で ある 。 しばしば 卒業 生 達 は 着 い て すぐ に 仕事 を みつける の に は 苦労 し て いる 。
私 が その パーティー で 会 っ た 英語 が 最も 流暢 な 二 人 の 同窓 生 は カナダ 社会 に 飛び込む の に 普通 で ない アプローチ を し た 。 一 人 は 最初 の 4 ヶ月 間 を 中国 人 の 殆ど い ない サレー と デルタ 地区 で 訪問 販売 を し て 過ごし た 。 その あと 彼 は もっと よい 仕事 に 就 い た の だ が 、 たった 4 年間 の カナダ 生活 で 英語 の 能力 は 抜群 に な っ て い た ! もう 一 人 の 同窓 生 は カナダ に たった 1 年 しか い ない が 、 彼 は ワインメーキング の 専門 店 を 開 い た 。 それ で 彼 は 近所 の 人々 と 親しく なれ た の だっ た 。 限ら れ た 英語 力 や 超 エリート と して の 立場 を 思い 患う こと なく 現実 世界 に 飛び込 ん だ この 二 人 は 結果 的 に すばやく 英語 を 学 ん だ の で ある 。
新しい 言語 を 学ぶ の は 、 特に これ から 初めて 外国 語 を 学ぶ と いう 場合 、 怖 気 づい て しまう かも しれ ない 。 しかし 、 段階 的 に 進み 少し で も 達成 感 を 積み重ね て いけ ば 自信 が つい て いく もの だ 。 ある 言語 を 学ぶ と いう こと は 知識 で は なく 技能 を 獲得 する こと で あり 、 上達 する に は 時間 が かかる と 肝 に 銘じ て おく の が 大切 で ある 。 その 言葉 に 慣れ なけ れ ば いけ ない 。 理論 に よって 覚える の で は なく 、「 慣れ 」 に よって 覚える の で ある 。
いつも 同じ よう に 調子 よく いき は し ない 。 例えば スポーツ で どんなに 練習 し て も うまく いか ない こと が ある 。 外国 語 の 学習 も 同じ だ 。 うまく いっ た 時 は 喜び 、 失敗 し た と 思 っ た 時 の こと は 忘れる よう に する こと だ 。
第 二 言語 を 習い 覚える と 、 別 の 言語 を 学ぶ こと に 自信 が 持てる だ ろ う 。 実際 、 知 っ て いる 外国 語 の 数 が 増え れ ば 増える ほど すべて を うまく 話せる よう に なる もの だ 。 母国 語 まで 前 より 上手 に 話せる よう に なる 。 なぜ か と いう と 、 新しい 言語 を 学 ん で いる うち に 話す 能力 と 言葉 の 意味 ― ニュアンスー に 対する 理解 力 が 高 まっ て いく から で ある 。